介護業界は現場スタッフの定着率が悪く、せっかく介護の仕事を始めてもすぐに辞める人も多い。給料の安さや重労働が問題とされているが、これから若い世代が介護業界に入って来なければ、これから日本に訪れる超高齢化社会を乗り切ることは難しくなるだろう。
その理由の一つに、介護スタッフ自身の高齢化の問題が出てくる。これまで言われてきた身体介護などの肉体的負担の大きな作業に加え、介護の現場によっては夜勤勤務に就かなければならないこともある。介護スタッフが介護の現場の第一線でいつまでも働き続けるというのにも限界があるだろう。
さらに介護スタッフの親の高齢化も大きな問題の一つになってくる。介護の現場で働きながら自身の親の介護もしなければならないのはたいへん大きな負担であり、子育てと仕事の両立同様に難しいことである。
このように介護業界への若いスタッフの参入はとても重要なことであり、介護施設も若い人たちが介護の仕事に興味を持てるような取り組みも行っている。
介護施設によっては若者の地域密着型思考に注目し、ボランティアの参加や地域の高齢者と触れ合うイベントなどを開催することによって、介護の現場に直接関わってもらう努力をしている。高齢者と若者の関係を構築することが、介護の現場への理解を深める重要な第一歩だと考えているのだ。
また介護業界全体で取り組まなければいけない問題の一つとして、介護職のキャリアアップシステムだ。若者が介護の仕事に将来性を感じられるようにならなければ、新たな人材の確保に苦労することになる。